「戻してください」。そう訴える1枚の貼り紙が話題となっている。
鉄道テーマパークに展示されている機関車から部品が盗まれ、公開中止を余儀なくされている。
きっかけは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に公開された画像。「部品盗難に遭ったために閉鎖します」。そして、一言、こう添えられている。
坪庭製作所さんのツイート(8月26日):「よく撮り鉄に注目が集まるけど、こっちも相当やばいかと」
撮り鉄ならぬ「盗り鉄」を嘆くこのつぶやき。先日、SNS上に投稿されると一気に1000件を超える反響が寄せられたという。一体、何があったのか。画像が撮影されたのは群馬県の鉄道テーマパーク「碓氷峠鉄道文化むら」。見て、触れて、体験できるが売りのこの施設。しかし、この体験型があだとなった可能性がある。封鎖された車両の内部を特別に見せてもらった。
碓氷峠鉄道文化むら・職員:「ない。そっくりなくなっているという感じ」
そもそも、事の発端は2年前。電気機関車の部品が盗難被害に遭い、現在も公開中止を余儀なくされている。
碓氷峠鉄道文化むら・職員:「がっかりですよね。非常に残念」
職員も怒りを忘れ、思わず。
碓氷峠鉄道文化むら・職員:「よく持っていけるなって。人通り多いですからね」
つまり、この盗難は目に付きやすい日中の衝動的な犯行ではなく、夜間、計画的に行われた可能性もあるというのだ。もし、仮にそうであるとするならば、転売目的も考えられるのか。鉄道部品を販売する店の人に聞いてみると。
エクスプレスショップはやて・長谷川玉緒店長:「(転売は)ちょっと無理だと思いますね。お店で買い取る場合は、お客様の個人情報をすべて取っておくことになっておりますので、足が付きやすい」
鉄道部品は、特に転売が難しいという。やはり一部の心無い鉄道ファン「盗り鉄」の仕業なのか。背景にあるのは体験型と盗難防止の両立の難しさ。
碓氷峠鉄道文化むら・職員:「やっぱり、皆さんに見て頂きたいのが本当の目的なので、第一に戻してほしい。元の形に戻したいですよね」
2017/09/07 17:28